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音楽はタダではない [杉並区]

「もしかして、音楽がタダだと思ってる?」
毎年ピアノを弾いてくれるD君に、そう指摘された。

2時間半のホールイベント。
数組のゲストミュージシャンを登場させれば、
それでことが運ぶと思っていた私は青ざめた。
去年も一昨年も、出演者にギャラなど払っていない。
無料で出演してくれるゲストばかりを呼んでいた。
音楽関係者も、私との関係性でボランティア出演してくれた。

560人も集客するステージで歌えるなら、
喜んで無料奉仕してくれると思ったら大間違いだと言う。
むしろ、入場無料のステージに、集客したいとは思わないとさえ言う。

「自分のファンはお金を払って観に来てくれるんだよ。
それを無料のステージやるなんて誘ったら、
一回分、稼ぎが減るってことじゃない」

……確かに……。

例えば、である。
毎月ライブに来てくれるファンのお客さんが、
その月は、無料で見られるからお金を払ってくれない。
そうすると、ミュージシャンは稼ぎが減ってしまう。
出演料をもらえるならまだしも、
ボランティアで出演しても何の得にもならないのである。

「ボクはいいよ。大人塾にも長く関わってきたし、
地域活動とか、教育的意味とか、面白いから出演するよ。
でも、そういうミュージシャンばかりじゃない。
生活が苦しい中で音楽の技術を磨いているのに、
社会のためだからって、簡単に搾取するのはマズいでしょ」

す、すみません。
言われてみればその通り。

今はyoutubeで多くの音楽が無料で手に入る。
その分CDは売れない。
ミュージシャンは今も昔と同様に努力している。
創作活動をし、演奏を練習し、切磋琢磨している。
だが、それに見合うだけの収入を得るのは至難の業だ。

それは、私が小説家だけで食べていないからよくわかる。
私の小説は、大手出版社がお墨付きをくれて出版してくれている。
でも、小説を書くだけでは生活できない。
一作書くのに、構想や取材もいれれば2年くらい掛かる。
それが文庫本で一冊約800円。
その800円さえ出さず、図書館で借りたり、古本で買ったり、
著者がもらえる印税など微々たるものだ。


頑張っている若いミュージシャンたちに報いたい。
でも、予算はない。

さて、どうするか……。

ここは思案の時である。

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